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バイクでの思い出 Ⅲ (つづき)

平成7年1月17日早朝、阪神淡路大震災が発生した。私の住む丹波の山々にも地なりが響き渡った。

前年に病を患い大手術を済ませた体を奮い起こし、兄はミニバイクを軽トラックに積んで一番の被災地であった神戸、

そして妻の実家がある長田の街を見に行ったそうだ。あの体でどのようにして積み込んだのかわからないけど・・・。

以前、神戸に憧れ、いつのまにか神戸の生活のほうが長くなったといっていた兄には、その神戸に黒々とした煙が立ち昇

り、つぎつぎと延焼していく街並みを見て、いてもたっても居られなかったんだと思う。


明石での入院生活が始まってから、私は用がなければ片道2時間近くの道のりを毎週のように通っていた。

明石といえば、カワサキの明石工場がある。私は当時バイクには何の興味もなく、というより前述したようにバイクをみ

ると、寒さと恐怖の記憶だけが頭をもたげ、決して乗ろうなんかこれっぽっちも考えたことはなかった。

ただ、あれだけバイクが好きだった兄が、カワサキを誇りにし、颯爽と駆け回っていた後姿が目に焼きついていた私に

は、病床で日を重ねるごとに衰弱していく兄の後姿は到底受け入れることができなかった。いつか必ず元気になってくれ

る、それだけをいつも願っていた・・・・・。



その病院への行き、帰りのラジオからよく流れていた曲、なんともやるせないどうしようもない切ない気持ちを和ませて

くれた曲 「春よ来い」





今もこの曲が流れると、あの時の春めいた3月の温かな陽射しを思い出す。



病院の窓からはいつも霞んで明石海峡大橋が見えた、そしてカワサキ明石工場はほんのすぐそこにある、そんな光景を兄

はどんな思いで眺めていたのか・・・・・・・。もう一度バイクに跨ってみたい、もう一度、風を思いっきり感じてみた

い・・・・・一人のライダーとしてきっとそう思ったに違いない。口にはいっさい出さなかったけど・・・・・・。

しかし、そんな家族の願いもかなわず、翌年の8月、兄はあの世へ旅立った。


あの日から20年近くが経った今、ふとしたきっかけから私は今バイクに乗っている。

バイクはもちろんカワサキ。「曲がらない、止まらない」という不評の時代を乗り越え「男、カワサキ」という代名詞を

今や世界に誇るブランドとし送り出しているバイクメーカー。今はもう縁もゆかりもないけれど、やっぱり私はカワサキ

が好きだ。

兄がいつか言っていた「バイクの楽しさは乗ってみないと分からない」という言葉も今私にも少しわかるようになってき

た。寒い風をうけても、夏の熱風を浴びながらもバイクの楽しさはかわらない。私にとって地位や名誉も関係なく、財力

の有る無しにも関係ない、なにかそれを超える大切なものがあるよ、そんな気にさせてくれる乗り物。それがバイクなん

だと思う。上手く言えないけど、人が人らしく生きていく大切なもの、そこをくすぐってくる何かがバイクにはあるよう

な気がする。

ライダー同士がお互いに挨拶として手あげる時、私はいつもそんな気持ちを込めて手を上げて挨拶している。


いつか兄のバイクで寒さと恐怖に怯えていた頃が、懐かしい。

兄の年齢をとうに超えてしまった今も、バイクに跨るとあの時のようなときめきは今も変わらない。相変わらず寒さには

耐え難いものがあるが、あの時感じた恐怖感は、今はスリルを味わいながらの愉しさに替わり、そして峠道にさしかかる

となぜかわくわくしてくる。

それは峠にさしかかる、そのカーブの向こう側に兄の後姿を捜しているのかもしれない・・・・・・・・・・。

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No title

男カワサキのオートバイに跨り、凛と生きたお兄さん
男同士、兄弟の強い絆、、兄を想い慕うBINさん
素敵ですね!
またいずれ、BINさんの日々の想いがお兄さんに通じて、どこかでお兄さんに会えるのではないでしょうか、、
その時は手をあげて笑顔で「よっ!」っていう感じでしょうか、、

No title

周平さんへ
ありがとうございます。
コメントを拝見しながら、年甲斐もなく涙があふれます。もう20年も前の話なんでがね~
私の心の中にはず~っと生きているんですね~
久しぶりに会ってみたいですね、今度は乗せてやりたいです。

こんにちは

向こうから来る、気のいいバイク乗りの挨拶はうれしいものです
何にも囲われていない丸裸の乗り物だから 隔たって無い分 喜びも悲しみも通じ合う距離が近いのかもしれません お兄さん若かったですね 惜しまれます 思い出すのが一番のご供養だと聞きます バイクに乗る度になら きっとお兄さん喜んでます^^

No title

小々次郎さん
こんばんわ、
拙い思いで話を読んでいただき、ありがとうございます。
バイクってそうですよね、車に比べれば裸で走っているようなものですね。同じ釜の飯を食うって
いうんでしょうか、なんか似たような感覚になるのかもしれません。そう言えば、北海道を走った時は、挨拶を交わしながらの毎日でしたので一人旅という感覚が無くなっていたように思います。
バイク乗りはやめられそうにありません(笑)

No title

お兄さんの背中を追いかけて
コーナーを駆け抜けるBINさんの姿が目に浮かびます。
そのうち、いつか追い抜く日が来るかもしれませんね。
その日が来るのを夢見て走り続ける・・
カッコいいっす。

No title

かぜっぷさん
こんばんわ、
20年ほど前の思い出話で恐縮です。ありがとうございます。
バイクでの思い出は、どれもこれも楽しいことばかりです。
これからも、バイクライフで青春?(笑)していこうと思っています
遅咲きのライダーですが・・・・・・(笑)

プロフィール

BIN

Author:BIN
住所  兵庫県篠山市

この写真は、北海道、洞爺湖畔でキャンプした時のものです。8月後半で暑さを凌ぐ為に日陰を選んでテント設営しましたが、夜は寒くてシュラフに潜り込みました。

趣味・・バイクツーリング/ 自転車ツーリング/ 写真/ ハイキング
       /日曜大工

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